雪の帰り道

雪が降ると
田舎の村を思い出す

シンシンと音がする
空から虫のような雪が降る

絶え間ない雪は
私を家に閉じこめた

それでも
雪道をえんえんと歩いて
汗をかいて
シンちゃんとタカコと
学校へ行った

帰り道
遊んで帰った
しかし
何をして遊んだのか覚えていない

動物の足跡を追っかけたのか
枝のツララを折ったのか

覚えているのは
いつも濡れた長ぐつの中
足の冷たさ
しもやけの指
靴下をぬぐと湯気がたった

冷たかったけれど血が通っていたのだ