飲み屋の親父
知識を持っているわけでも
教養があるわけでもない
美味しい魚を
安い値段で供す
働き者だ
つらい素振りは見せない
自然体で寡黙で
愛想は良くもなく悪くもない
客を区別しない
格式張らない
働くことが自分のなかに
無理なく溶け込んでいる
楽をしようと思えばできるだろうに
休んでどこかに出かけても良かろうに
彼には仕事が日常で
日常が大切なのだと
よく知れる
がむしゃらに働くから良いのではなく
自分の有り様を自分で分かって
日々を過ごす
こんな生き方を一生懸命というのだろう