世の灯り

暗い夜道を照らす
一つの外灯

歩みを進める者にとって
どれほど心強いだろう

漆黒の闇や
座標のない海を渡るのは
不安と困難に
押しつぶされてしまうから

どんなに小さい星であっても
ほの暗い外灯であっても
それを頼りにできるなら
人は祈るような気持ちで
すがることもあるだろう

いま
座標の定まらない世界で
何をしていいか分からない人間が

一人の人
一冊の本
一つの言葉によって
勇気づけられたなら

そんな言葉を吐いた人は
勇気づけられた者にとっては
素晴らしい救済者で

誰もが人生の場面場面で
何度か
人を励ましたり
喜ばせたり
助けたりするのだから

やはり
誰もが一時的には
人を照らす灯台になって
必要とされて
世の中は回っているのだろう