秋の空の高さ

空気が澄む
秋の空

高く遠い
うろこ雲

どこまでも見渡せる透明感
隠れる場所のない不安

生命の
繁茂や雑多なエネルギーが
収束点に向かって
まとまってゆく秋

充実への満足
後の終焉への予感

秋の実りは
有難く
佗しく

濁りのない空と
乾いた大気は

一抹の哀しさをまといながら
爽快な心地よさを
振りまいている

葉が色づけば
季節の完結への
濃淡は増し
より鮮やかに
世界を彩る

そんな自然に包まれる日が
近づく
足音が
聞こえ始めた