夢と現(うつつ)

苦しい時や悩んでいる時に
悪夢は見ない

恐ろしい夢は
楽しい現実を送るなかに現れる

精神のバランスを取るかのように
無意識は働く

そして
意志もまた

充実した仕事や暮らしの中で
意識することは稀で

窮地に陥り
現実に苦しむときにこそ

抜け出したい
変わりたいと願う

現実逃避も
夢を抱いて歩むのも

現状を変えたいという
心根は同じで

自分の今に満足できないためだ

満足して健やかに生きることは
褒め称えれば良いし

苦しいと思うなら
未来の変化に期待すればいい

自己嫌悪と
自己否定は
高い理想の産物で

それだけ自分に期待し
夢を抱いていることの
裏返しなのだから

足りない自分を
許容せざるを得なくなる日が来るまで

苦しくたって
夢を抱き続ければいい