山里の花

山の端々に
ちらほら桜咲き

まだらに色づき
地には新緑が芽吹く

淡い彩りが
にじみ出てくるような春

ここに居ると

何百年も変わらない
自然の移ろいに

江戸も平安も等しく
近しいものに思え
古人の歌も詩も味わい

人の営みのつながりに
安堵する

自然の美しさの中に
人が居て
同じ面持ちになれる刹那

錯覚でないかと
疑ってしまうほど

人にも自然にも
たまらなく
愛しさが募る