働いた思い出

忙しくて

朝から晩まで
寝る暇もなく

何を食べたかも
憶えていない

ただやることが
溢れかえって

次から次へと
眼の前の山をやっつけて

何曜日だったか
何日か憶えていない

何かを考える余裕はなく
ただ寝たい
ただ休みたい

そんな忙しい日々も
十年経てば
懐かしく思い出され

充実していたかのように
美化され

本当はそんな忙しい日々は
一月と続かなかったのに

全力で
人生を駆け抜けたかのように

美しい記憶になっている

そんなもんだ
身勝手な記憶だが
別にそれでいい