傲慢な被害者

一度被害を受け
和解に至る最中

まるで当たり屋のように

加害者を責め
謝罪を求めて

被害を受けたという特権を振りかざす
そんな姿がかなしい

被害者にとっては
このまま
有耶無耶にされたくない

言えるときに
しっかり言わないと
なし崩しにされてしまう

そんな焦燥や
苦しみを受けた
一種の復讐心も
混ざりあって

強気な立場に出るのだろう

ゆるさない
ゆるしてやる

こういう言葉が
好きになれない

被害者にしか
問題の幕引きはできないが

被害者が偉ぶる必要はない

自分から
敢えて
被害者の立場に身を置き
相手を責めたい輩もいて

自分が得た一時の有利を
引き伸ばし
加害者に苦痛を味あわせる

どうにも醜くて
逃げる加害者と
攻める被害者と
揉めに揉めた事件を見るのが苦痛で

問題が起こった不幸を
埋め合わせようとする
人の欲望に

いつまでも
なじめない