何万も何十万も
使い続けても
いまだ
新しく音を刻み
意味を産んで
心揺さぶり
人を惑わす
声の抑揚一つ
文字に点打つ場所一つで
未知の表現に邂逅し
淀んだ霧が晴れ
頭を槌で叩かれ
目が覚め
世界が拡がり
新しい沃土を得て
表現の宇宙は
開拓され続けゆく
人の悩みも
生き様も
言葉に全て乗せて
宇宙を漂わせるなら
人は宇宙と一つになり
世界はつながって
豊かさの下で
孤独を抱いて眠り
トロトロと半覚醒の
ぬるま湯もまた
表現の海の懐で
甘える子供のごとく
許されるものとなるでしょう