家族の輝き

みそ汁の具
何入れる

卵焼きつくる
納豆出す

漬物は
ご飯何合炊けばいい

こんな会話
面白くも楽しくも
何とも無いはず

それなのに

夢の中で
はるか昔の

我が家の朝食に
出くわして

瞼の裏に
涙が浮かぶ

歳を取れば
家族の会話は
削ぎ落とされ

家族の好みも
食べ物も

一々聞くことなど無くなり
当たり前のように
日々を暮らす

出会ったばかりの
なんでもない会話が

なぜか楽しく
キラキラと輝いて
思い出されるのは

幸福な人生で手にした
果実なのか

それとも

失った過去を羨むしかない
悲哀だろうか