言葉の残滓

意識の奥で

浮遊する言葉よ

 

朧気に光を発し

ぼやけて浮かぶ蜃気楼よ

 

浅い眠りのなか

浮かび上がっては消え

消えては現れる

 

掴みどころもない

だが

そこにあるはず

 

膨大な文字の流れに

流されて溺れて

 

手からこぼれ落ちても

なんとか

ひと摘み残った

 

こいつが磨けば光るのか

分からぬまま

 

ただ惜しくて

握りしめて

取って置いた

 

古びて

光らないままでも

 

捨てることなく

しがみついていた

 

そのまま

命も枯れ

 

ただ

それだけが残った

 

残ってしまった

 

もう何もないのに