ネパール人の夫婦

場末の小さな店

ネパールカレー

 

若い夫婦の

日本語はたどたどしい

 

昼は旦那がカレーをつくり

夜は奥さんがやる

 

同じメニューなのに

味が全く違う

 

ほろ酔いの夜に

立ち寄れば

 

子供が泣き叫んでいた

 

知らない街

異国の地で

 

客も全然いない

 

ただ泣き声だけが

空虚な店内に響き

 

冷たい風の音が

ドアを打ち付ける

 

寒々しく

健気な夫婦

 

だが

明日も料理をつくるしかないのだろう