コンビニのゲーマー

コンビニのイートイン

隅に座る三十代の男

 

コンセントをすべて使い

スマートフォンを5台並べ

 

ゲームを起動して

驚くべき速さで

タップを繰り返す

 

時折メモを取り

再びタップに集中

 

のめり込む姿に

近づくのを躊躇する

 

彼の振舞いを横に

コップ酒をあおる

 

これだけ熱中し

取り憑かれ

対象に耽溺する

 

ふと見れば

タップする手が止まった

 

彼はまぶたを閉じかけ

眠る寸前

 

机に頭を打つ瞬間

我に返り

またタップを続ける

 

睡魔と戦い

時間と戦い

 

サボることもできず

ひたすらゲームに己を捧げる

 

何の生産性もなく

認めてくれる人もいない

 

だが続ける

 

彼のようなゲーマーが

星の数ほどいて

人生を狂わせているのなら

 

ゲームとは

素晴らしいものだ