壊れかけて

今日の朝

パソコンの電源が

入らなくなった時

 

生活に影がよぎった

 

人生の大半

電子機器など持たなかった

 

それがもはや

身体の欠損にも等しい

不安をもたらしている

 

こいつが壊れたら

私はどうしよう

 

ちょうど

小さい死のようで

 

不可避と

分かっていたけれど

 

わたしが生きた記録が

確実に詰まっている箱

 

突然失われるのは

あまりにも辛い

 

幸い

パソコンは

動き出した

 

わたしは

次の死に備えねばならぬ

 

昨日までとは

心模様が違うのだ

 

感情の高ぶりによって

わたしは

日々更新されてゆく