白菜を絞り上げ

塩をした白菜を

樽に詰め

 

ぎゅうぎゅうと

押して押す

 

磨かれた白

萎れる葉脈

 

ひたすら

憎しみを込めて

 

樽に押し込む

 

料理に愛情が

必要だとすれば

 

これもまた愛

 

詰まるほど

押しつぶすほどの愛

 

愛は濃く

憎しみと怒りとなって

 

白菜の身をしならせ

 

腑抜けた水分を

押し出し

 

塩辛い一切れへと

変貌さす

 

全ての力を用い

体を預け

絞り上げ

干からびさせ

 

奪い

変容させ

支配する

 

石のように固まった

白黄色のものは

 

押し黙り

ピクリとも動かない

 

命の一時を奪い

糧とする

 

限りなく辛い愛