韜晦風味

一歩下がり

姿を見せず

 

失敗はせず

持論は述べない

 

どこにいるか分からない

だけど

いつも近くにいる

 

何をしているかわからない

だけど

いつも仕事をしている

 

自分を出さない

出さないことを美学とする

 

自己韜晦という

格好つけ

 

最低の薬味

得体のしれない腐敗物

 

姿を見せないことで

己を大きくも小さくも見せ

 

機を見て

像を肥大化する

 

やけくそ村の

役人たち

 

無頼風味の

詩人たち

 

この国では

同じ形をしている

 

どうにもこうにも

くだらない

 

秩序を守る

顔のない人々の好みは