いつもやってくる
誰も手助けしない
而して邪魔をしない
騒ぐ子どもたちを
皆笑ってみている
年老いた親の
背中を流す子
妹の髪を洗う兄
誰もが勝手で
誰もが居られる
誰の名も知らず
気にも止めない
ただ雑多で
桶の音が響く
権利だの義務だの
尊重だの尊厳だの
馬鹿馬鹿しい
言葉に囚われ
社会の優等生であろうとする似非インテリ
こいつらは
決してやって来ない
己の身を
絶対に浸さず
上から
知ったかぶりで
眺めている奴らには
たどり着けない
匿名のユートピア