残雪まだら模様

汽車の駅を降り

橋を渡り

田園を過ぎ

 

水を遡り

山に入り

 

森を抜け

高山を歩けば

 

雪渓に

埋もれる岩石

 

霧が下から迫り

死神が舞う

 

冷たく

濡れた風の中

 

視界なき

極高の地に

ツェルト一枚で耐える

 

真夏に凍った

カチカチの雪

 

砂利と雪と

踏み締め

 

山を照らす

ぼけた夕陽を背に

湯を沸かす

 

誰もいない

なにもない

 

生と死が

混じってきやがった