透明な闇

いつ

どこにいても

 

追いかけてくる

 

不安とも

恐怖とも

形容しがたい

 

黒い影

 

逃げた

どこまでも

 

振り切りたくて

逃げ続けた

 

前を向き

空を見上げ

 

命の躍動を

明るい世界の光に向かって

走り続けた

 

それでも

影は

気がつけば

頭の隅に

あるのだった

 

いつしか

それは

侵食し

 

精神を侵食し

体をこわばらせる

 

漠然とした

 

修辞を拒絶する

闇の深さ

 

いまも

取り憑いて

はなれない

 

逃げるのを

諦め

 

見えないように

振る舞い

 

気づきながら

無視を決め込み

なお

怯えている

 

生に張り付く

この不穏に

 

のたうち回り

力尽きる日を

予感しながら

 

何も出来ない