狂い咲き

歳とり

落ち着いた暮らしのなかで

 

ふと

羽目を外すとき

 

溜め込んでいた狂気が

爆発する圧力

 

日頃の静謐に比し

弾ける衝撃は

若者より強い

 

馬鹿にしない

馬鹿をしない

 

いやいや

馬鹿をしたい

 

馬鹿になって

おかしくなって

 

今日も明日も

すべて放り投げて

 

遊びに遊び

暴れに暴れ

 

それはもう

 

日常から乖離した

距離の分だけ

おぞましく

 

醜悪な

老害なのであった

 

それでもなお

愚行は続き

 

絡み

暴れ

精神が弾けとび

 

全てに難癖をつけては

 

何一つ壊せない

何一つ変えられないと

気づいているだけの

哀しさが

そこには漂う

 

駄目だから

抗う

 

駄目だから

暴れる

 

駄目だから

駄目になりたい

 

どうせ俺なんてと

いじけている

老人の姿は

どこか

青春の名残を

感じさせるのだった