なぜ動く

疲労極まり

俯して

 

故郷のことなど思いながら

立ち上がり

 

働く機械へと戻った

 

べとつく汗と

垢にまみれた匂いが

 

己を人だと思い出させる

 

まだ働くのか

いつまで働くのか

 

体は動くのか

この油の切れた機械が

 

帰りの焼酎のことだけ

考えながら

 

働いて

動いて

 

動かなくなるまで

動いて

 

不満と不幸を感じながら

苦労を重ねて

 

最終的には

何もない

 

おまんまが食べられるだけでも有難いとか

五体満足で有難いとか

 

不幸でないから

それで満足しろなんて

押し付けられても

納得できないだろ

 

不幸なんて

いつかやってくるのだし

 

体なんて

いつか壊れる

 

壊れる前に

自分のために使わなきゃいけない

 

動いて

はした金を稼ぎ

何もなく死ぬのなら

 

何かのために動いて

死んだっていいだろ