峠越え

忙しい日々に

終りが見え

 

目の前に積んだ

書類の山も

 

日を経るごと

低くなってゆく

 

もう終わる

 

峠を越え

眼下の町並みを眺めながら

 

足取りも軽く

下り坂を歩いている

 

越えられない

恐れや不安を抱え

がむしゃらに登った

 

出来なくて

投げ出すかもしれなかった

 

何十年も

何十度も

乗り越えてきたのに

 

また同じ

不安に苛まれ

 

而して

同じ解放感に

包まれている

 

今はただ

横になり

 

何もしないでいたい