解放の後

解放の後には

虚無が残り

 

解放は

何もなくなることへの

快楽である

 

苦難と忍耐

綿で包まれるような不快

 

そんな負荷が

無くなり

 

何もしなくていい

何も苦しまなくていい

気持ちよさ

 

だが

一度過ぎれば

 

苦しまないだけの

無意味が

 

私に問いかけ

 

再び

苦悩へと

引きずり込む

 

何もしなくていい

だが

何もしなくていいのか

 

何もしたくないのか

何も出来ないのか

 

塵芥として

この世に散って

 

わたしは終わるのか

 

そんな問いかけが

付いて回り

 

わたしは

むしろ望んで

 

悩み続け

 

のたうち回っては

 

解放を求め

 

輪廻のごとく

 

その周回から

抜け出せない