2021-12-05 北国の街 #詩 詩 北国の海岸通りは 海猫鳴いて 寒風吹きすさび 人っ子一人いない 午後というのに もう日も暮れかけ ちらりちらりと 舞う雪が もの悲しさを助長する 古びれた市場では ほっかむりの婆が パタンパタンと タラを捌く 包丁の音だけが 聞こえて 暗く 変わらず 未来も何もない 冬に向かう 陰鬱な季節を いっそう 際立たせる