北国の街

北国の海岸通りは

海猫鳴いて

 

寒風吹きすさび

人っ子一人いない

 

午後というのに

もう日も暮れかけ

 

ちらりちらりと

舞う雪が

 

もの悲しさを助長する

 

古びれた市場では

ほっかむりの婆が

 

パタンパタンと

タラを捌く

 

包丁の音だけが

聞こえて

 

暗く

変わらず

 

未来も何もない

 

冬に向かう

陰鬱な季節を

 

いっそう

際立たせる