あの時の 潮風の匂い きらめく水面 駅から とぼとぼ歩いた街 自転車の中学生 釣り糸を垂れる好々爺 自分で感じたことなのに するすると 指の間から落ちる砂のように 記憶が瓦解していく 嫌なことも 嬉しいことも 感覚が朧気になり 自然に朽ちる屍のごとく 少…
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