トカトントンを想う

ただ生きるということが
並々ならぬと
気づいたのはいつからか

喜怒哀楽に一喜一憂し
雑事に追われ
叶わぬ希望を持ち
失望にさいなまれる

なんと忙しいことか
不愉快は次々と襲ってきて
それを取り除くことさえ
徒労でないかと思いもする

腹が減っては飯を食い
眠ければ寝る
五体満足で痛みもなく
争いもなく
生活は穏やか

それなのに
何もしていないのに
何をしたら良いか分からない

人のために生きるべきか
自分のために生きるべきか
そんな問いかけも
また不毛で

虚無を埋めようと
一心不乱に藻掻いても
いつにまにか馬鹿らしく思えて
元の木阿弥

それが永遠のループのように
人生にまとわりついて
私は私が分からなくなり
アップアップで息をしている

この連鎖を断ち切るべきか
この連鎖が生きることなのか
それも分からない