空から氷の塊が降った

科学の知識や
天気予報によって
我々は
雹がいづれ止むのを知っているけれど

それでも
雷と風と氷が
暴力的に地面に叩きつけられ

割れんばかりの窓
折れるようにしなる枝を
家の中から見ているだけで
恐怖がわき起こった

自然なのか神なのか
人智を超えた何ものかが
荒れ狂って
怒っているのではないかと思えた

凶暴な表情に圧倒された後

嘘のように晴れた空の下に出ると
風と氷に打たれ
千切れた樹の葉が
路面を覆っている

散らばった青葉と
陽の当たる地面から
湯気のように立ち上る
青臭い緑の匂いは
むせるほど濃く

破壊と創造の
ダイナミズムを
想起させた