幼い頃
親の実家を訪れて
母が出かけていた折に
祖母が出前を取ってくれた
おいしく食べていたところ
予定が変わって母が帰宅
私と祖母が食べているのを一瞥
離れにいるからと
母は一人で席を立ち
しばらく経って訪ねると
乾麺茹でて
レトルトのカレーうどんを
食べていた
そのときの哀しさ
悪いことをした気持ち
母のいじましさ
忘れられない
出前を取ってと言えない母
母に声をかけられない祖母
何も出来ない私
誰も悪くないのに
気まずさが浮かんでくる
カレーうどんを食べるたびに
思い出す