寒初の布団のなかの私

朝に晩に
寒さを感じる時分
もぐりこむ布団は
温もりの心地よさを
思い出させる

それは
人の数だけ多い街で
無機質な生活のなか
ふとした人情に触れた
温かみにも似て

ずっと前から
知っていた
分かっていたはずなのに

どこかに忘れた
私の中の
良かったものを
取り戻してくれる

眠い目をこすりながら
布団の温かさのなかで
いつまでも
まどろんでいたい
休日の朝のように

おだやかに
ただそこに在るだけの
やさしい気持ちが
自分にあることが

まだ
私を安堵させる