気だるい夜

滴り落ちる雨音
野良猫の鳴き声が遠く聞こえ
静かな夜がしっとりと更けてゆく

しとしと降る雨が
周りを覆い

暗い部屋で
まどろむにつれ

薄いヴェールの
繭の中のような
安堵と静寂と

時が止まったような錯覚

このまま
いつまでも
毛布の中で
惰眠を貪りつづけ

移り変わる世界と隔絶し
安らかに
穏やかに

永遠に
雨音を聞いて
過ごせるのではないかと想う

アンニュイで
静寂な夜