街燈照らす家路への旅

今日もまた
雨が滴る寒空に

白い息して
道をゆく君

俯いて
泳ぐ視線に
先は見えず

道に流れる
雨水を避け
交差する足

靄に浮かぶ
赤い頬

歩けども
歩けども

暮れゆく秋は
追いかけ

闇は迫り
雨はまだ降る

それでも
君は歩き
人待つところへ
たどり着くか

街の中の
小さく淡い
寄辺なき彷徨を

幾度となく繰り返し
回る歳月が
君を変えゆく