アコギな商売やら
商いをくさす言葉は数あれど
商人がいなければ
遠い国の名物も
新開発の品物も
いや
普段食べる米だって
味噌だって
醤油だって
手に入りはしない
我々は
商人のお世話になり
商人もまた
買い手を当てにして
お互いがなければ
自分の存在が成り立たないような
関係に暮らしている
しかし
商人は買い手のために生きるわけでなく
買い手も商人のためを思っていない
お金を儲けるため
自分の欲のために
働き
品物を届け
売りさばく
誰かのために生きることを
金に換えるより
金のために生きて
結果的に
誰かの役に立つほうが
偽善や欺瞞を疑わずに済んで
付き合いやすい
商人が欲望のために生きて
世界が回るなら
それは悪いことではない
金のために搾取したり
生き物を根絶やしにしたり
自然の調和を壊したり
しなければ
やりすぎなければ
それは悪いことではない
自由は
欲望の懐に眠っているのだから
