ほのめかす

満開の桜や
見渡す限りの菜の花

眼前の美しさに
感激する

だが
満開でなくとも
たった一輪の桜に
雪の隙間に
顔を出すふきのとうに

春を予感するとき

まだ見えぬ世界への期待は
ときに現実よりも美しい

人の想像力は

現在での満足より
未来への希望に向かう

これから訪れる冬と
その先の春

小さな
小さな
その兆しに

夢をつなぐ
精神の営みが
世界を美しくしてくれるから

想像力は
人生の大切な伴侶なのだろう