群れの中の異端

集団の中で
一人がゴネたり
他と違うために

余計な手間がかかったり
行動が遅くなったり
全体がもたつくことがある

何やってるんだ!?
みんなに合わせろ!
いいから。お前のことはいいから。早く!

お前がおとなしくすれば
みんなうまくいくんだ

こんなシチュエーションは
何度も目にした

集団の中にいれば
足を引っ張るやつにしか見えない

だが
いざ自分が異端者になったとき
問答無用で協調を迫られたとき

理不尽だろうと
こちらに非がなかろうと

お前が合わせればうまくいくんだ
そう言われて合わせるのが
よく出来た大人なんだ

組織が
数の力で
人を型にはめ込むのは

昔も今も
変わらないから

組織にとって楽ならば
個は蹂躙される

犠牲
現代的な犠牲

組織に寄り添う人間が
寄り添えば寄り添うほど
組織の力を背景に
横暴になる

一人一人は
力もそんなに変わらないのに