上る階段

目の前の長い階段
急峻で高い段差
果ては見えず

一時に上れる気はしない

一段
一段

疲れて
膝をついて

座り込んで
休む

再び上っては休み
休んでは上る

終わりは見えない
階段と空だけが
視界にあり

豆粒のごとき自分は
少しずつ
動いては止まる

もう疲れた
しんどい
上りたくない

その時
座り込んで
ふと見下ろせば

はるかに広がる下界

小さな一歩が
自分を押し上げ
遠いところまで運んだ

せっかく
ここまで来たのだから
もう少し
上ってみるか

上るのも自由
休むのも自由
降りるのも自由

本質的に
人生はそういうゲームではなかろうか