師走の走り

忘年会が始まり
休日には
街は人で溢れる

師走の活気が
徐々に満ちて

寒さと
忙しなさに

年の終わりを
思うようになり

鰤大根や
おでんが
しんしんと
身にしみる時節が来た

一年の間に何があったか

考えることすらしなかった子供
やりたいことが多すぎた青年
何もしない自分に失望する中年
何もなかったことに安堵する老年

周りが急いていると
余計に自分の時間がゆるく流れ

煮物をつつきながら
己の中身を振り返る瞬間に
たまらない愛着が芽生え

また箸を進める