ごまかす

透明から混濁へ
秩序から混沌へ

有耶無耶に
不明瞭に

自らの精神を
ごまかしてこなかった者など
いるのだろうか

規律や目的が
明確に透徹でき

真直ぐ前を向けた
その心地よさとは
裏腹に

人の心には
闇が住み
傷が残る

そんな辛さを
直視することは

絶対の正義でもなければ
健全でもない

人は
忘却と
曖昧な態度によって

被膜をつくり
精神を保護し
生きる

意志と
虚飾は

一つの存在に同居する

意志を持ち
保つ限り

人の弱さには
つけこむまい

誰しもが弱い存在で
同時に
強くありたいと願っているのだから