寒風の猫を巡る人

ブロック塀と建物の隙間
20センチかそこらの
狭い空間に

猫が三匹
団子になる

寒さは
野良に辛く

風が吹き込まず
人に邪魔されず
それでいて
食べる物がある場所を

懸命に探し
縄張りを争い

夜な夜な
喧騒を撒き散らし
今日も生きる

建物に張ってある紙
ネコにエサをやるな!

それでも
深夜に早朝に

地下活動家のように
餌を配る者が居り

猫の好悪を巡って
人間たちも
また争う

勝手に餌をやる無責任さと
野良猫の生存を許さない不寛容と

どちらにも理とエゴとあり

ただ傍観者として
関わりを避けつつ

寒さに震える猫を眺める