余白を埋めない

全力であるなら
いつまでも走れない
走り続けられない

速く
力の限り
走りたければ

じっくりと準備して
力を貯める

静止から躍動へ
獲物を狩る獣のように
動きに濃淡をつける

密度が高ければ
余白も必要で

墨の黒さは
紙の白さに映える

目標を定め
眈々と機を伺うとき

余白は無駄ではない

余白に余計な色は要らない
ただ何もしないことが
大切だ

長い文脈には
山も谷も
必要なのだ

決して
焦るなかれ