かけがえなく類型的

目が二つ
耳が二つ
手足が二本づつ
心臓が動いてる

人の姿は
ほとんど同じで
出せる力も
動くはやさも
たいして変わりない

シェパードとチワワほど
人に違いはない

変わり映えない身体で
どこにでも居て
毎日毎日
たくさん生まれては
死んでゆく

だけれども

どこにありそうでも
自分の体は一つで
代えがきかず

それなりに
大切に扱っている

酷使し
休ませ

暴飲暴食の後
節制し

疲労と衰弱から
休養と滋養へ

人のやることは
昔から変わらず

自己愛に満ち
満たされない欲望が
自己嫌悪を招く

大枠で変わらぬ視点を
細部に入り込み凝視し

チマチマした出来事に
拘泥するのに飽き
また視野をぼやかす

果てのない循環と往復の中
自分の立ち位置は見つからず

何をして良いか分からず
混乱と葛藤の最中

今まで寄りかかり
依存してきたものへ
献身の情が湧く

どこにでもあり
かけがいのない
ヒトである私