芽吹き

締まった蕾は

暖気とともに
ゆるまり
ふくらみ

内に葉脈をつくり
時を待ち

ついに
褐色の木肌の先
薄緑を吹かす

弱く
瑞々しく
ほのかに
気を伺い

たどたどしく
世に出た若葉は

未だ冷える
夜風にさらされても

屹然と
枝先に居座り

緑を深め
葉を伸ばす決意を
漲らせ

自らの時の到来を
予感している