そら豆の莢

天に向かってそそり立つ
そら豆の
莢の緑

剥けば
スポンジのような
フワフワにくるまれ
眠る豆

知能も意志も
感情も親心もない
植物なのに

現代の人間が
大切な荷を梱包するように

種子をやわらかく
くるんで抱える

その豆を
大事な豆を
食べれば

春の命の息吹が
体内にほとばしる