心の傷の疼きに耐える

もう忘れた
とっくの昔に

切れた
離れた
自由になったと
思っていた

そんな過去が
再びコンタクトを取って
目の前に現れる

心臓が昂ぶり
冷静を失い

見えない拘束衣が
まとわりつく

振りほどこうにも
ほどけない

否定したくとも
できない

どこまで逃げても
追いかけてくる

そんな記憶の重圧が
私を弱い者に変える

はねのけることも
暴れまわることもできない

耐える

意味があるのか
分からずに
耐える

そんな記憶を抱えて
生きていく自分を

試すように
耐える