国際都市の酒場

しぼしぼと雨降る休日の夜
一人酒場を訪ねる

空いたカウンター
暇を持て余す店員

落ち着き
喧騒を遠くに聞きながら

盃を傾ければ
いつしか
一人また一人と
左党が集う

隣に白人の二人
こんな場末で
ワイン嗜む

店員はアジア系の外国人
客は欧米の観光客

世の縮図が
ここにもあるかと

独りごち
杯をすすめるが

店員は
たどたどしい日本語で
だが
楽しそうに
右へ左へ歩き回り
同僚や常連に軽口をたたいている

ここは国際都市の酒場
誰もが働き
誰もが飲み

人種も国籍も
吹き飛ばす

得体の知れない
エネルギーに満ち

暮れることを知らない