自動書記としての詩

詩は軽蔑に価する

こう述べた作家は
表現を無意識へ
自動書記の産物として

何物にも縛られない
自由な表記を目指した

無意識こそ
人間の精神に
潜在的に訴える力を持つ

叫び
祈り

言葉になる前の
情動の昂ぶり

文字にも言葉にも
歌にも踊りにも
内包される

ならば
歌にリズムは要らないか

いや音は
ただの音ではなく

旋律を奏で
調子に乗ることで

人を意識の奥へ
引き込むのではないか

詩の旋律も
反復も押韻

人間の意識を
深みに引きずり込む
呪術であり

論理を超え
無意識に響かせる
呼び掛けであるはずだ

混濁した精神に
反響する
聲明のごとく

詩はリズムを携えて
再び音となり
人の耳目に
届くはずだ