わらべの郷愁か

もうすぐ
来る

しどけなく
あでやかに
包まれた

幼さの香る
たいせつな
卵の殻を

無きものにする
抗えない甘美と
もの哀しさ

祭の後
ポツポツと
家路につく
ひとけの薄い暗がりで

屋台で買った笛を吹けば
ピーッと鳴って

くるくると
紙筒が伸びて
戻る

何度吹いても
笛は伸びて
戻る

戻る度に
日は暮れてゆく