己は何か

無限の闇に浮かぶ
天球に住まいて

恒星の光と
隕石の水で

偶然の確率が
必然化するほどに

膨大な
時を費やして

有機物を生み
進化を重ね

ヒトになり
生命をつなぎ

私がいる

意味も
理由もなく

ただ今ここに
在るだけ

なぜ
どうしてと

問うても
正解などなく

問いが無意味で
不毛でも

訳も分からず
この世界に放り出された私は

己が在ることが
理解できず

問いたい要求は衰えず
問いの不毛との板挟みで

ただひたすら
生の理不尽さに
居心地が悪く

それを引きずったまま
生が離れるまで

世界も自分も
分からないとだけ

はっきり
分かっている

だから生を求めて止まず
執着し
苦しいのだと

はっきり
分かっている