汗たれて

日照りの坂
引きずる足

汗の玉
顎より垂れ
肘から落ち
シャツはビシャビシャ

木陰のベンチ
汗は止まらず

足元の蟻
鳴きわたる蝉

何も考えたくない
考えられない

熱の溜まった
大気に埋もれ
逃れられず

そのとき
一陣の風が

ただ一時
風が吹いて

草の匂いを運び

夏の昼下がりを
私の脳裏に刻みつけた