ゆるやかな午後の歩み

スラリと長い手に
赤いリンゴ持ち

昼下がりの石畳を
下ってゆく

長く伸びる影
風に揺れる葉

さわやかな大気の匂いに
子供の頃の
幸せな日々を思い出し

いつまでも
坂を下りて

並木の影に入り
テラスに休む人々を眺めながら

再び
陽の暖かさを感じて

歩いてゆく
麦わら帽子