すりこぎの日々

ザラザラの肌に
棒こすりつけ

回して
潰して
なめらかにして

ゴリゴリと
すり潰す毎日

豆も

愚直に
単純に

砕いて
摺って

幾度も幾度も
くり返して

いつしか
棒も鉢も

気の遠くなる磨滅を経て
丸みを帯び

すりこぎの使命は
果たされる

変わらない摩耗の日々は
実は
少しづつ変わっている

ただ気づかずにいるだけ

こすり
磨かれた

すりこぎと
人の日常の

手間と時間の尊さ